王国ファンタジア【氷眼の民】
顔だけ大長老に向けると。
「せいぜいドラゴンに食い殺されるよう祈ってるんだな」
乱暴に扉を閉めて出て行った。
嵐が過ぎ去った集会所は、静けさを保っていた。
長老達は冷や汗を垂らして、腰が抜けたように座り込む。
大長老も例外ではなく、額の汗を服の袖で拭っていた。
レインが本気を出せば、この場の全員を殺すことなど造作もない。
一命を取り留められたのは、こちら側に人質があったからだけ。
「悪魔の子とは金輪際関わりたくないな」
一人の長老がポツリと呟いた。
皆同じ心境なのか、黙って頷いている。