かんけりっ!
知ってる時点でお前も残念だがな!!
とは言わなかった。
携帯をポケットから取り出し、液晶を見る。
映るのは『西木』の文字。
西木から?
最初は怪訝と言う感情が湧いた。
が、今の西木の現状は?
缶蹴同好会を偵察しに部室棟へと向かった。
その、なんでもないような事実が無性に不安を掻き立てる。
キ、キャプテン。と東田も不安に駆られている。
しかしそんな中流れるのは『〇桜鬼』の主題歌。
なかなかに緊迫感を際立たせてくれる。
焦る気持ちを抑え、通話ボタンを押す。
「ど、どうした西木?」
『いや、部室棟。誰もいないんスよ』
通話口から聞こえてきたのはいつものチャラい感じの西木の声。
それは俺に、それと東田を安堵させるには充分過ぎた。