かんけりっ!



で、【勇者】をそのまま抜き去ろうと思ったのだけど、何だろう。


なんだか切なくなって【勇者】の横に止まって、手を差し出した。


「……ん」


【勇者】は僕の手をチラリと一瞥する。


なんだろ。ちょっと目元が赤い。


「もしかして、泣いて」


「泣いてなんか…グス。ねーよ」


うわマジ泣きじゃん。


さっきまでの悪鬼羅刹ぶりはどこ行ったよ!!


「あの【勇者】…さん。一応数ページ前の事が色々あるんで。威厳だけでも」


「威厳なんて…グスン。ねーよ」


威厳はなくちゃダメだから!!


そんな事をやってるうちに、遠くの方で「取りぃ!!」と言う声が聞こえた。


相手の主将が捕まった。それは小さくない損害をサッカー部に与え。


数分の内に勝敗は決した。




勝利,缶蹴同好会
敗北,サッカー部



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