かんけりっ!
かんけりって、缶蹴り?
あの缶蹴り?
「ポカンとしてるね。いやまぁ最初は皆そんな感じだし仕方ないけど」
い、いや缶蹴りって。だってあなたは普通に高校生ですよね?
「普通の高校生が缶蹴りをしたらダメ?」
「いや、ダメじゃないですけど、やっぱり何か変な感じが」
「変な、感じね」
「それに缶蹴りってあんな暴力性が高い遊びじゃ…」
ゴホンと、南が咳をして話を止めて。『彼女』に歩み寄る。
『彼女』の目の前で立ち止まった瀞文生は、綺麗。と言う形容詞がぴったりだと思う。
微かに茶色がかった黒髪は肩の長さで綺麗に切りそろえられ、それに整った中性的な顔立ちは同性の『彼女』さえも綺麗だと思う。
その頬からは、血?
「ん?さっきの攻防でかな」