かんけりっ!
あれがもし仮にスカートめくりではなく、普通のパンチだとしたら?
正直、自分は人よりも運動神経は遥かに良いし動体視力。それに反射神経にも自信がある。
いや、あった。
けれど南の動きは全く見えず、それこそ風が通ったようにしか思えなかった。
気がつけば背後を取られていたのだ。
殺ろうと思えば出来たはず。それなのに南はしなかった。
それにくらべ自分はどうだ。ろくに事情も知らずに裏拳。
なかなかに野蛮だと思う。
そんな自分がどんな正論を言えるというんだろう。
「私は、この競技を心から真面目にやってるの。怪我だって、仕方ない事」
「……」
「だから、謝らないで」
「…………一つだけ、聞かせてください」