かんけりっ!
けれどそれさえ、最近は揺らいで来ているのも事実。
今まで『彼女』は本気で陸上を続けてきた。つもりだ。
「どしたの?」
「……いえ」
自分も、昔はこの人みたいに本当に楽しそうに走っていた。
実際楽しかった。
部活仲間と、同じ時間を共有してるのだと思ってた。
でも、違かったのだ。
自分は、自慢みたいに聞こえるかもしれないけど実力があってそれに伴った結果が欲しくて人一倍練習した。
それに、皆はついて来てくれる。そう信じてたけど。
「キミは悩んでいるの?」
「…………」
「……キミの悩みはわからないけど、ならばキミも缶蹴りをやってみない?」
脈絡もへったくれもない雑な勧誘。
「どう?」
いや、どう?って。