かんけりっ!
「その真乃枇杷さん。強いって、どれくらい強いんですか」
「……うん。少なくとも私は歯が立たなかった。当時で彼に太刀打ち出来たのは……南先輩だけ」
バカ姉スゲー。
いや口にはしないけどさ。
「でも、そんな強い人がどうして缶蹴りを辞めてしまったんですか?」
桃東先輩は目を伏せる。
見た目でわかる。
どれだけ言いづらい事だか。
「すいません。なんか言いづらい事ばかり聞いてしまって」
「ううん。いいよ、それは、ね」
それは?
他に何かあるの?
「正直、私には南先輩みたいに悩みを自然に聞く事は出来ないから面と向かって聞くよ」
「……はい?」
「夏樹君の悩み。教えて?」
さっきとは打って変わって満面の笑み。
どうして悩みを尋ねるのに満面の笑みなのかはわからない。