かんけりっ!
穏やかな微風が桜並木に咲き乱れる桃色の花びらをざわめかす。
見上げれば灰色を基調とした無愛想な校舎が仁王立っていた。
この中で三年間も他人とアハハウフフの学生ライフを満喫しないといけないのか。
そんなに学生ライフに期待とか希望とかは持ってないし、抱く気もないからなぁ。
……めんどいなぁ。
腕時計に視線を落とす。
まだ八時。クラスには半までにいけばいいはずだからあと三十分もあるんじゃん。
このままクラスに行っても三十分も手持ち無沙汰なのはキツい。
……確かこの学校中庭なんてのがあったはず。
丁度いいや。そこで時間でも潰そ。
昇降口へと流れる制服姿の川から僕は一人違う方向へと奔流を伸ばす事にした。
流れが止まる事は、まぁ知ったこっちゃない。