かんけりっ!



「ハレルヤ先輩」


「うん?」


「僕の記憶でも大体バカ姉は笑ってるんですよ」


「喜怒哀楽の喜怒楽しかないような人だったからね」


「はい。でも、こんなに嬉しそうで楽しそうな姉は初めて見ました」


意味も無く写真の中の姉の輪郭をなぞる。


起伏なんてあるわけなく、平面の変化のない触感がどうしてだか寂しさを呼び起こす。


「……南先輩が亡くなってから真乃枇杷は倒すべき目標を失ってしまったんだ」


訥々(とつとつ)とハレルヤ先輩が語り出す。


けれど僕は写真から目を離す事が出来ずにいた。


「真乃枇杷はそれからすぐに退部して、先輩二人も引退。僕も、一時期辞めようとさえ思った。でも、アズマに言われたんだ。『超残って欲しい』って」


超残って欲しい。


なんだそりゃって言いたくなる、下手な口説き文句。


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