かんけりっ!
【終者】
★ ★ ★
【終者】
ネーミングセンスのかけらも感じられないな。
『彼』
真乃枇杷 総は暗く眠り込むパソコンの画面を見つめながらそんな事を考える。
生徒会執務室。
彼の唯一の心休まる、彼の部屋だ。
ちなみに今は誰も部屋にはいない。
『彼』一人の時間がこの部屋に流れている。
思案するには最高の環境だ。
『彼』はなんとなく振り返り背後の窓に目を向けると空は既に茜色に染まりきり。
けれど部活動の声、音はまだ止まない。
主な大会が近いからだろう。
金属バットの打撃音、それに吹奏楽の不協和音が校内を包む。
「青春、か」
深く体を預けた椅子が「ギィ」と音を上げた。
青春。
まだ学生ではある『彼』だが既に過ぎ去ってしまった時間だった。