かんけりっ!
静かな二人の怒気のぶつけ合いは茜子の方が僅かに勝っているか。
怒りを表情に浮かべひたすら睨み付けるトライゾンに対して、茜子は涼しい顔でキーボードを叩き続ける。
近い将来はきっと彼女が今の自分のポジションにいる事は想像に難くない。
しかし、自分がいる間に生徒会に不和を持ち込まれるのはあまり宜しくはない。
「ケンカは止めろ」
茜子。それにトライゾンの双眸が『彼』を映す。
まぁ自分が『ケンカは止めろ』と言っても露程の説得力もないだろうけど。
「人にケンカは止めろと言って、自分はかつての仲間と相対するんですね?」
茜子が立ち上がると座っていた椅子がガタンと鳴った。
「今日は先に失礼させていただきます」
彼女は自分のカバンを乱暴にひったくりそのまま生徒会執務室から出て行った。