かんけりっ!



とりあえず『勇者』のそれはスルーなんですね。


「…葡萄園。開始から何分経った?」


「おおよそ、四分と十四秒程」


素面で答えるフランシア先輩、なんですかその超能力。


また忍者だから出来るとか言うつもりか。


「て事は、間もなく。来るね」


て事は?


それは一体どういう…。


瞬間、茂みがガサリと音を立てる。


何か、いや。誰かがあそこに潜んで…。


「夏樹君。君だけがあの茂みを見て。それ以外は他を注視!!」


桃東先輩の声を皮切りに先輩達の目の色が変わる。


来る。…のか?


茂みはさっきからガサガサと小刻みに小枝を震わせ葉を鳴らし続ける。


まるで、自らの存在をアピールするかのように。


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