かんけりっ!
「……先輩は、何が目的なんですか?」
周りの罵詈雑言の中、僕は小さく桃東先輩に尋ねる。
「察しがいいね。私は、好きだな。そういうの」
……。
小さな声で先輩も返してくる。
何が「好きだな」だ。
この先輩。とんでもない狐じゃないか。
同時に思い出すのは後ろの席の男子の話。
あの話は確かだったな。
「桃東には関わるな」か。
「私の目的はただ一つ。あなたに私の部活に入部して欲しいの」
僕にだけ見えるように微笑を携えながら。桃東先輩は続ける。
「選択肢は君にある。イエスかノーか好きな方を選んでいいわ。ただし、よく考えてね」