かんけりっ!



けれど、僕の読みではあの茂みは囮で。


メインは反対側だ!!


思いっきり振り返ると。よし!!


思った通り、茂みから現れたのは。


「……茜、子!?」


違う、茜子だけじゃない!!


四方向から四人も!?


……ん?


…四人?


しまっ…っ!?


「遅ぇんだよバカが」


振り向いて、そこにいたのは見慣れた、元缶蹴同好会員。


「柿、宮ぁっ!!」


瞬間。右頬に走る鈍い痛み。


殴られた。


弾け飛びそうになるのをこらえて、反撃の拳を握り。


必殺の一撃、…を?


体がくの字に曲がった。


「言ったばっかじゃねぇか。『遅ぇ』ってな」


伸びきった柿宮の足は完全に僕の腹部に突き刺さっている。


くそ。こんな、こんな小柄な女子に僕は。


やられる…のか?


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