かんけりっ!



「なめるなぁ!!」


後ろに流れた左足を軸に、僕は反撃の力を入れ。


「喰らえぇ!!」


渾身の右ストレートを放つ。が。


パン。と放った右腕は簡単に受け流され、懐に潜り込んで…。


これは、ヤバい!?


「退くんだ。夏樹君」


まるで鞭のようにしなる左足が柿宮、それに僕の前髪を弾き飛ばす。


「チッ!?」


柿宮が僕から離れ、距離を取る。


いや、僕からじゃない。


凶悪な蹴りを放ったイケメン。


「ハレルヤ、先輩」


その名を呟いたのは僕か、はたまた柿宮か。


「夏樹君、ボケッとしてる余裕があるなら缶を踏んでくれないか?」


「…へ?」


辺りを見渡すと、皆。自分の手合いだけで一杯のようだ。


「夏樹君、上だ!!」


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