かんけりっ!
「良い反応だね」
そう言いつつ反転し僕の伸びきった左腕を決めに掛かる。
「ぐぅっ!?」
蛇のように腕に絡もうとする茜子の両手。
それは腕を引きやり過ごす。
「なっ!?」
しかしそれを予期していたのように僕の顔面を狙う肘鉄。
僕は身を落とし回避する。が。
ゴウ、と。僕の顎を下から突き上げる茜子の踵(かかと)。
それさえ予想してたというのかっ!?
飛びそうになる意識を必死に押さえつけ、反撃を試みる。
「くそっ!?」
むちゃくちゃに放つストレートは茜子に当たる訳もなく虚空を泳ぐ。
「温いね。夏樹」
僕のがら空きになった胸部に茜子のコンビネーションが突き刺さる。
左右左とそつのない連打。