かんけりっ!
今度は僕が地面に膝を付く番だ。
くそ、くそっ!!
なんだっていうんだこの力量差は。
まるで僕の攻撃が当たる気がしない。それどころか勝つビジョンさえこれっぽっちも見えない。
「悪いけど、夏樹に時間は掛けてられないの」
また一瞬で茜子が僕の懐に入り込む。
動きに追い付くことが出来ない!?
攻撃される前に僕は両腕で防御の態勢をとる。しかし。
「さて、今度はちょっと本気のバージョンだよ?」
そう言って茜子が撃ち放つのは左右の拳の嵐。さっきは全部叩き落としたが。
「づぅ、ぐあ」
速度も軌道も出合いもさっきとは違う。僕の知らない連撃になすすべない。
「残念だよ夏樹。君ならもう少し頑張れると思ったんだけどね」