かんけりっ!



「君は、はぁ…」


なんか、ため息をつかれた。


僅かに傾斜がかった緩やかな坂を登り切ると一週間前ぶりの景色が僕等を出迎える。


まだ誰も使っていないプール脇を通り抜けて、渡り廊下を潜り抜け吹き抜けの中庭へと出た。


そこは、朝と昼の空気の違いはあれど一週間前とは何も変わらない。


つまり、人一人いないのーー。


「来たよ~」


は?


誰もいないはずの中庭にそんな声を張る先輩。


突然どうしたんですか?


そう聞こうとした瞬間。


「わかっています」


そんな声がすぐ背後から聞こえた。


「うわっ!?」なんてみっともない声を出しながら慌てて振り返る。


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