かんけりっ!
顔面。左眼付近を彼女の拳は捉えたが。
僕は止まらない。
「どけぇ!!」
柿宮の伸びきった腕を引き、刹那、柿宮を交わす。
もう、彼女は僕の敵じゃないのだ。
「ぐぅ、クソがぁ!?簡単に抜かせてたまるかぁ!?」
抜き際、まるで最後の力でも振り絞るかのように柿宮は反転。
そして僕を狙う蹴り。
だが、
「無駄だぁ!!」
ひらりと跳び、その蹴りを交わす。
それは全て一瞬の出来事だった。
少し前、いやこの試合が始まる前の僕なら反応さえ難しかっただろう。
でも今の僕なら、イケる!!
「【トライゾン】##よくやった♪一瞬で十分だ」
ハッ、とする。
何で…?
何で、僕の真横に真乃枇杷がっ!?