かんけりっ!



「【雷姫】一人で僕を止められるとでも思ったかい##♪」


そんな事、思うわけない。


だが。クソっ!!


あとちょっとだったのに。


あと少しで僕達の勝ちだったのに…っ!!


「バイバイ『伝説』の弟。もう戦う事はないだろうけど」


まだ地面に辿り着かない僕に放たれる、無情なハイキック。


眼前に迫る真乃枇杷のローファーを見据え、考える。


過去の事。現在の事。そしてこれからの事。


僕がこの蹴りを受け、そして缶蹴同好会は敗北して。同好会は消える。


きっと天国にいるだろうバカ姉は何を思うだろう。


僕の凹む姿を見て笑う?


過去の弟子に缶蹴同好会を潰されて落ち込む?


それともこの戦いを讃える?


親類の僕としては一番最初の選択肢が一番ありえそうだと思う。


いや、全部。


ありえそうだ。


僕は、ゆっくり目を瞑り。


誰かに向かって「すみません」と呟いた。


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