かんけりっ!
「だから、諦めんなぁ!!」
鼓膜が張り裂けそうになった。
カッと瞼を開くと僕と真乃枇杷の狭すぎる間に茜子が入り込み蹴りを両腕で受けていた。
「…赤、猫ぉ!?」
さっきの僕のフライアウェイとは比べ物にならない位、驚きに満ちた真乃枇杷の表情。
そりゃそうだ。
試合中の裏切りなんて前代未聞だもの。
「すみません、会長。訳あって、生徒会。裏切ります」
「きさ、まぁ!!」
「あらあら会長。いつもの口調はいいんですか?」
イタズラっぽく、けど挑発的に真乃枇杷の理性を吹き飛ばす。
ま、裏切りが発生した時点で理性なんて吹き飛んでるだろうけど。
だが、それよりも茜子の介入により出来た一瞬の間。
「ありがとう、茜子。一瞬あれば大丈夫だ」