かんけりっ!
★ ★ ★
「どこで、間違った…?」
『彼』、【終者】と呼ばれた瀞文高校最強の男はレンガ造りの歩道の上。
恥も外聞もなく大の字に仰臥(ぎょうが)し独り呟いた。
だが、その言葉に本質はなく。中身もない。
がらんどうな言葉だった。
言葉の前提が崩壊しているのだ。
『彼』は何も間違ったとは思っていない。
間違っているとすればそれは『神奈河 南』がいなくなった事だろう。
いや『神奈河 南』が生まれなければこんなに苦しむ事もないのでは?
そんな事を考えるだけ無駄で無意味なのに、つい考えてしまう。
『彼』は、神を呪った。
いるはずもない神に、人々が作り崇拝を形骸化させ、今も世界中で救いと正義と混乱をもたらす神々を。