かんけりっ!
「そんな事よりさ」
僕の高校生活の前途多難ぶりをそんな事呼ばわり!?
「夏樹の持ってるその紙。何?」
説明する間は与えられずにプリントが茜子にひったくられた。
「……それさ。意味わかんないだろ?昨日、桃東先輩…って知らないか。まぁその桃東先輩って人に缶蹴同好会に入れって誘われたんだよ」
「……缶蹴、同好会」
ため息混じりに簡素に説明する。ついでに失笑も含有させて。
そこにある感情は単純に、馬鹿馬鹿しい。と言ったもので、興味などこれっぽっちもないように見せたかった。
見せたかったのだ。
それは、きっと僕の見栄。
脳裏にチラつく、『バカ姉』を茜子に悟られないように。
けれど、茜子の反応は僕の想像とはまるで違ったものだった。