かんけりっ!



「大丈夫だよ。神奈河君」


「はい?」


「梨乃原は君が思ってるような奴じゃないよ」


…むぅ。


桃東先輩は僕の心でも読んだみたいにそんな事を言った。


なんでだか知らないけど満面の笑顔で。


「姫様、来た」


「うん?意外と早かったね」


桃東先輩。フランシア先輩が揃って渡り廊下に目を向ける。


正確には、渡り廊下を潜る誰かに。


のんびりとした足取りのその誰かは、近づいてくるにつれてその風貌を鮮明にしていく。


「やぁ、アズマ。それにフランシア、二人とも今日もまた綺麗だね。ステキだ」


近づいてきた誰かさんはとりあえず間髪入れずそう言い放ってみせた。


第一印象が軽くマイナスなのは言うまでもない。


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