かんけりっ!



とは考えたもののこの中庭ならばあまり『どこ』に隠れてるかなんて考える必要はあまりない。


隠れる場所なんて端から数えるほどしかないのだ。


問題は『誰』がそこに隠れているか。


缶蹴りは『かくれんぼ』『鬼ごっこ』『ケードロ(ドロケイ)』とは違うのだ。


『かくれんぼ』は見つからなければいい。


『鬼ごっこ』は触れられなければいい。


『ケードロ』は逃げ切ればいい。


だが缶蹴りは違う。


『鬼』は守り、『兵』が狙う真剣勝負。


缶蹴りのキモは缶なのだ。


僕がもし仮に数少ない隠れ場所を確認しに行ったとする。


そうすると定石としてその反対側から『兵』が突っ込んでくるはず。


それが『兵』側の基本戦術だ。


< 58 / 358 >

この作品をシェア

pagetop