かんけりっ!



だが十中八九投げ込まれたものだろう。


僕は先ほどまで読んでいたプリントの『兵』側の勝利条件を思い出す。


確か、プリントには『蹴り飛ばした時』という記載があったはず。


ならば石で缶を飛ばしたとしても先輩達の勝利にはなりはしない。


なら、何で石を?


考えられるのはただ一つ。


これは意識の陽動作戦か?


だとしたらなめられたものだ。


この位で僕の意識が前にばかり向く事はない。


僕が前に気を取られてるうちに後ろから缶をかっさらおうったってそうは行かない。


僕は自分自身に喝を入れ、全方位に再び神経を尖らせた。


その間も何回か石がカツンカツンと歩道を叩いたが全て無視。


そのうち、ついに僕の視界に異変が訪れた。


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