かんけりっ!



視界右端。


中庭を天上から見下ろした場合右上の区画。


そこにある草むらが僅かに僕に近付いて来ている。


大きさからするに隠れているのは多分一人。


……いや、フランシア先輩と柿宮なら二人で隠れられるか。


けど二人で隠れるメリットなんてあるのか?


それは僕にはわからない。


ふと、背後に気配を感じて肩越しに振り返ってみた。


誰かの影がサッと近くの草むらに身を隠す。


なるほど、ね。


作戦は、多分こうだろう。


草むらに隠れている誰かが徐々に僕に近付き、僕がそれに気を取られてる隙に缶を狙う。という寸法だろう。


が、わかった所で正直な所、打開策は何もない。


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