かんけりっ!



「さて、どうしよう」


迫る草むらを見据え、けれど背後にも気を配りながら『鬼』側の作戦を構築していく。


まずはじめに思いついたのは僕が草むらに走り込み、『兵』の姿を確認して戻る。というもの。


だけれどこれは背後ががら空きになるから余り頭の良い選択じゃない。


じゃあどうすればいい?


あーだこーだ考えてる内に草むらがいつの間にか五メートル手前まで接近していた。


そろそろ考える時間もないみたいだ。


……ならば。


やるしかないっ!!


僕は意を決して草むらにーー。


「引っかかったなぁ!!」


走り込むと見せかけて本命は僕の背後。


そしてそれは僕の思惑通りだった。


さっきから瞬間的に出たり隠れたりしていた影の持ち主が姿を現していた。


正体はフランシア先輩。


彼我の缶までの距離は僕の方が近い。


この勝負。


もらった!!


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