かんけりっ!



フランシアはあの人によく懐いていた。


自分、それにハレルヤ以外にはあまり喋らないフランシアが、だ。


確かにあの人は、桃東自身も好いていた。今だってその心は変わらない。


梨乃原は、…まぁ。元々、人が大好きな奴だし。


とにかく人としては素敵な人だった。


フランシアが懐くのだって納得出来る。


多分、懐いていたからこそ簡単に思い出に出来ないのだろう。


フランシアはまだ、現実としてあの人の死を認識出来ていない。


可哀想だな。


桃東はそう思う。


いや、簡単に思い出にしてしまった自分が淡白なのだろう。冷たい人間なんだろう。


綺麗な、フランシアの金髪を撫でながらそんな風に思う。


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