かんけりっ!
「彼は君のお眼鏡に叶ったのかい?」
桃東は応えない。
ただ目をハレルヤに向けたままぼんやりと考える。
彼。言わずもがな神奈河の事だろう。
「なんだいアズマ。僕の顔がそんなに美しいかい?」
……死なないかなぁ。コイツ。
「……正直な所、私は、予想以上だと思う」
呟くように言ったのはフランシアだった。
彼女がこんな風に人を褒めるのは、とても珍しい事だった。
桃東はフランシアとそれなりに長い付き合いだが彼女があまり聞いた事がない。
フランシアは続ける。
「彼。何度か、私の事を視認してた」
「それ、本当に?」
桃東は思わず足を止めた。
「スゴいじゃないか。彼」
ハレルヤは不躾にも口笛をヒューと鳴らしやはり芝居がかったように言った。