かんけりっ!

初陣




★ ★ ★


僕がこの瀞文高校に入学して早一ヶ月。


4月は終わり5月になった。


しかし5月になった。からと言って突然気温が上がるわけでもなく今日もまた昨日までの4月とまるで変わらない。


初春の風の冷たさは既になく心なしか暖かさを運ぶ風。


雲一つない晴天。


「さて、久々の試合よ。張り切っていくわよ!?」


晴天の下、僕らはほぼ無人の校庭に立っていた。


現在朝の九時。


日曜日ではあるのだけど校庭で部活動するはずの部活が見当たらないのはどう言うことなんだろう。


「あの、桃東先輩?」


「ん?何かしら夏樹君」


控え目に挙手した僕に皆。桃東先輩、フランシア先輩、ハレルヤ先輩、柿宮の視線が集まる。


注目されるのはあまり好きじゃないんだけどなぁ。


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