血濡れた教会
幸恵って‥私のお母さんの同じ名前…
もしかして……
私は鞄を投げ捨て
無我夢中で教会へ向かった。
「花ぁー、鞄はぁ」
瑠璃の声にも
振り向かず、ただただ教会へと向かった。
はぁ はぁ はぁ はぁ―…
息が乱れていく。
心が乱れていく――‥
‥―ガチャ
重い扉を開けると
真っ暗な教会の中に誰かが倒れていた。
まさか―……
そんなはず――‥
ゆっくりと近付いていくと
少しずつ誰かがわかってきた。
女の人。
口から泡を吐いていて
目は白目を向いている。
この人は間違いなく、
お母さんだ…
いつも笑顔だった、お母さん。
…なのに、
今はすごくすごく苦しそうだよ‥