未完成。
私は渚の事が好きなんだ。

美加に言われて、初めて気付いたこの気持ち。
出会いもなかった自分が恋なんて…
自分の気持ちなのに、なんだかまだ少し追い付かない。

でも“好き”だと思えば、今までの事も説明がつく。
メールをするのが楽しみだったり…
褒めてもらえると嬉しい反面恥かしかったり…
渚の事をもっとたくさん知りたいと思ったり…

これが“好き”って気持ちなんだ。
改めて考えると少し恥ずかしくなった。


「渚はその人のどこが好きなの?」

美加にそう聞かれ、私は返事に戸惑った。
どこが好き、なんて答えられない。

「…全部だよ!」

少し照れながらも堂々と宣言をしてみた。

「うわっ!言い切ったね~!」
「だって本当の事だもん!」
「またちゃんと紹介してよね?」
「うん、多分。」

自分が言った言葉に、重大な事を気付かされた。
そう言えば、渚とは一度も会った事がない。
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