hatching
zero...1
「恋、なんだ起きてるじゃん。」
『愛ちゃん。』
「ちゃんで呼ぶなよ~」
今私の部屋に
入ってきたのは、
お兄ちゃんの
愛ちゃん。
愛と書いてメグミって読む。
愛ちゃんは名前が
ちょっと嫌みたいだけど
私はいい名前だと思う。
『君だと可愛くないでしょ?』
またそれか。
なんて言いながら
私の方に来ると、
大きくて少し暖かい
愛ちゃんの掌が
私の頭に雪の様に
ふわり、と降りる。
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