hatching


走って雄飛に向かう。
雄飛が気付いて振り返る。

ユ「どうした?」

汗を滲ませた彼は
さらに綺麗に見えた。


『私、手伝うよ。』

ユ「…帰り大丈夫か?」

『平気!』

ユ「そか、サンキュ」

…笑った。
優しい笑顔だな。
ずっとこの顔でいてほしい。

道具をもって
雄飛と体育倉庫に向かう。

ユ「ありがとう、それもらうよ。」

倉庫について
雄飛と私は向き合う。
いつまでも道具を渡さない私に


ユ「おい…どうした?」

と怒りもしないで優しく問う。

顔をあげると雄飛と目が合う。


『ねぇ、雄飛はなんで投げた後、辛そうな顔するの?』


無意識に口が聞いてしまった。
雄飛はびっくりしてる。
どうしよう…。



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