hatching


いつまでたっても
やまない雨にしびれを切らして
家に帰ろうとしたとき


「傘、ないの~?」
「お姉さん外人みたい。キレーだね。」

なんて声を掛けられた
声の方に体を向けると


なんともまあ、
ちゃらーい男2人が
私をニヤニヤ見てる。
まじ、しらける…。


「傘入れてあげるよ~。」
「濡れてるし俺んち近いからおいでよ~。」

『結構です。』

即行で答える私。


「まあまあ、はい、いくよ~。」

手を掴んで引っ張っていく。


こいつら聞いちゃいない!ふざけんな!

振りほどこうとも
びくともしない。
もぉ~、なんなの!?


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