hatching
four
雄飛の大きなジャージを借りて
2人で一つの傘に
寄り添って歩くのは
結構気恥ずかしい。
1日でこんなに距離が縮まるなんて…。
ユ「恋てさ、ハーフなの?」
沈黙を破ってくれたのは
嬉しいけど痛い質問。
『あー、母親がねアメリカなの。』
ユ「だから英語上手いんだ。」
『さっきの聞いてたの!?』
ユ「うん、聞こえた。」
『3才まであっちにいてさ、こっち来てからも英語忘れない様にって、お父さんとたまに英語で喋ってたんだ。キレるとそれがでちゃうの。』
ユ「親父?母親じゃなくて?」
『うん、…まあね。』
ユ「ふーん、そっか。」