冬が見せた幻
…俺が会いたいと願った君が
そこにはいた。
半透明な体の君に俺は
優しく抱きしめられる。
強い君が、珍しく涙を流してた。
俺は、君にまで
心配をかけていたんだ。
君が紡いだ言葉を思いかえし、
小さな微笑みを浮かべる。
君のいる空に届くだろうか。
眩しい太陽は君。
包み込むように吹く風は君。
きれいな青は真っ直ぐな君。
「俺も、好きだよ」
その声は空に吸い込まれていった。
End
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