トゥエルブ・マーダーズ
◇レイン
『こんなことを話したところで何が変わる訳でもなければ、意味のあることとも思えはしないのだけれどね……。
あの子はもう死んでしまったのだから、二度と会うことはないのだし。
僕も君も生きて償いをしなければならないのだよ』
と、軽く前置きした上で彼は話し始めた。
それはそれは長い話だった。
けれども、それを長いと感じたのはその瞬間でも直後でもなく、だいぶ後になって僕が思い返した時だったのだけれども。