最低!?最高!!?メンズ校!!!!
暫くして、興奮が収まった私は、さっきの罵声はどこへやら、部屋の隅で小さく体育座りをしていた。
「ごめんなさい…。柔道のことになると、ムキになっちゃうように、教育されていまして…」
「いや…。大丈夫。…どんな教育だよ」
大岩栄介は、疲れ果てたようにベッドに座り込んでいる。
「はぁ~…。またやっちゃった…。私って、なんでいつもこうなんだろう…。自分が嫌になってくる…」
私が嘆いている間に、大岩栄介が「こいつのキャラがぜんっぜん掴めない。つ―か、むしろ掴みたくない…」と思ったのは言うまでもない。
なんとか落ち着いた私に、大岩栄介は幾分か優しく問いかけた。
「明日、放課後に柔道部覗いて行くか?」
「いいの?」
「ああ。俺も暇だし」
私は、なんとなく嬉しくなった。
「うんっ。ありがとう!!」
笑いかけると、大岩栄介は顔を真っ赤にした後、ベッドに勢い良く倒れ込んだ。
「どうしたの?」
「ずりぃ…」
「へ?」
「なんでもねぇ」
この時の私は、大岩栄介の苦労に気づくことも無く、ただ明日の部活動見学を楽しみに寝床についた。