最低!?最高!!?メンズ校!!!!
明らかにこちらを敵視している感じで、向かってくる。
「おいっ!!普通科ぁ~、今日は俺達の番だろぉがっ!!」
先頭にいた奴の言葉を合図に、周りの連中が便乗する。
「何…?」
俺のそばにきた野口が、困惑したように口を開いた。
「さっき話した工業科の連中だよ。普通科と工業科で、グランドを順番に使ってんだ」
「あれが…」
再び工業科の団体に目を向けていると、こちら側の先輩や1年も反抗している。
もちろん俺は加わらない。
めんどいし…。
佐田先輩は困った顔で、両者を見守っている。
「あれ?あの子…」
「ん?知り合いがいんのか?」
「ううん。あそこにいる子にさっき部室棟の場所を聞いたんだ…」
野口の指差す方を見ると、図体のデカい工業科の中で際立って小柄で童顔な男子がいた。
周りの奴らが「う゛~っ」と威嚇するド―ベルマンだったら、そいつは「キャンキャンっ」と吠えるチワワという感じだ。
「ちゅ、中学生かと思ってた…」
ま、野口がそう思うのも無理はない。
雑談をしている内に、事態がだんだんややこしくなってきていた。
そこで、佐田先輩お得意の交渉で、なんとかその場は免れて工業科の団体はすごすごと帰っていった。
そして俺達は、ちょっとしたイライラを胸に、練習を再開した。