最低!?最高!!?メンズ校!!!!
顔をペチペチと叩き気合いを入れると、校舎の入り口に向かった。
門の前に立つと、すぐ近くにある小さな小屋からおじいさんが顔を出した。
「どちら様かね?」
「あ、え―と…。転入生の野口遥です…」
私が挨拶すると、納得したようにおじいさんは頷き、品定めをするかのように私を見詰めた。
な、なんか私変かな?
はっ!!もしかしてバレた!?
不安になる私をよそに、おじいさんは電話を取り出し話し始めた。
「あ―…。佐田君かね?ああ、そうだ。転入生が来ておるぞ。…分かった」
電話が終わると、おじいさんは私の方をクルリと向いた。
「もうすぐ、君の寮の寮長が来る。待ってなさい」
「は、はいっ!!」
無表情なおじいさんと泣き出しそうな私は、『佐田君』が来るまで無言を保っていた。