最低!?最高!!?メンズ校!!!!
フッと一呼吸置くと、女教師はにこやかな笑顔を俺以外に向けた。
「さ。1つの事件が解決した所で、授業に移りましょうか」
女教師は自分の非を謝りもしないで再び授業を始めた。
その日の俺は、ずっと野口が1人になる瞬間を待ち構えていた。
さっきのお礼を言うためだ。
元々素直じゃない俺。
周りに誰か居ると、絶対要らない事ばかり言っちゃいそうだ。
でも…。
野口はいつも誰かと一緒にいて、1人になる事がない。
なんとかして隙を狙ったものの、全く1人になる気配は無く、ついに放課後になってしまった。
友達とおしゃべりをしながら帰っていく野口を、俺はただ見つめるしかなかった。
廊下を出た所で、ふと野口が振り返った。
「私、忘れ物しちゃった!!みんな、先行ってて」
チャンスだ!!
今、教室には俺と野口しかいない。
俺は、覚悟を決めて野口を近づいた。
「の、野口」
緊張で声がかすれる。
野口はキョトンとした顔で俺を見た。