最低!?最高!!?メンズ校!!!!

「何?」



言うんだ!!

ありがとうって。

言うんだ!!


「さっき…の話本当?」


「え?」


違う…!!
こんな事が言いたいんじゃないっ…!!


「ほら、下級生が花壇を…」


野口は、フフッと笑って、予想外の事を口にした。


「嘘だよ」


「え…」


「ただ、大岩君はあんな事しないって思ったの」


「なん…で?」


俺は、びっくりして目を見開いた。


「だって、大岩君いつも花壇のお手入れ頑張ってるもん」



こいつは、知ってたんだ。


いつも係りをサボる俺が、花壇係だけはキチンとしていた事を。



「だから大岩君は犯人じゃないっ!!」



ここでありがとうって、顔を緩ませるとなんだか泣いてしまいそうで…。



「ふ~ん…」


と、そっぽ向いた。


「じゃあ、私帰るね」


「え?忘れ物は?」

野口は、優しく微笑んで“バイバイ”と手を振った。


俺が声をかけそびれたのも気づいてたんだ…。



帰る途中、踏みつぶされた花壇の花を見て、野口に対する感情が分かった。





それから2年後、大事な人を俺は、傷つけてしまった。



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