最低!?最高!!?メンズ校!!!!
ふと、顔をあげて固まった。
長くウェーブのかかった髪、ふんわりとした服に包まれた細身の体。それから、目と口をあけてマヌケ面をした…。
野口!?
俺と相手は、ピタリと止まったまま動かない。
なんか、前もこんなことあった気がする。
「お―い?栄介、どした?」
藍の声で、我に返った。
「あ、いや。べつに…」
「ふ~ん?」
興味なさそうに頷く藍に、引きつり笑いを見せて振り向いた。
「おいっ。蓮斗、お前が惚れたヤツはどいつだよ?」
あんまり長く店にいると、藍と蓮斗に野口のことがバレかねない。
早めに決着つけなきゃな…。
だけど、蓮斗は思いも寄らない相手を指差した。
「あ、あの子…」
蓮斗が指差した方向には、こっちを気にしながら客に服を勧める野口がいた。