最低!?最高!!?メンズ校!!!!

「なんで…」


自分の格好に問い質す。


「何が?」


「なんで、この格好なんだよっ!!」


学生寮の前で、キョトンとした顔の大岩栄介に向かって、力の限り叫んだ。

「何言ってんの。蓮斗に綺麗サッパリ忘れさせるためだろ」


因みに、私はバイトでいつも使っているウィッグを被り、白いフリルのワンピースに特殊加工されたGジャンを羽織っている。


「だからって、正々堂々とフられたらさらに落ち込むんじゃ…」


私の言葉に、大岩栄介は「甘いな…」と言わんばかりに首を横に振る。


「男の場合、はっきりフられた方が諦めつくんだよ」


「ふぅ~ん…」


半信半疑で頷いた。

「ま、フリ方によっても変わるけど。…だから、優しくフれよ。野口」


「う、うん。頑張ってみます…」


大岩栄介がおもむろに携帯を開いた。


「んじゃ、そろそろ呼び出すぞ―」

「お、おう…。かかってこい…!!」


「………。あ、蓮斗?お前に会いたいやつがいるから、10秒内に学生寮前に来い。1秒でも遅れたら…」


そこで電話を切った。


蓮斗、慌ててるだろうなぁ…。


可哀想~…。



< 92 / 126 >

この作品をシェア

pagetop