帰る場所。
しばらく、うろうろしていると…せんせいに捕まえられた。


「うろうろしすぎ」


抱き抱えられたまま、周りを見渡した。


ここって、何だろう。


『ニャア…』


ちょっとだけでいいから。
もうちょっとだけ歩かせて。


せんせいに伝わったのか、私を離してくれた。


キョロキョロとしてから、鳴いてみた。


『ニャァー…ニャア』


誰かが小さくかわいいって言った。


「静かにしろよ?ばれるからな」

わかった。
丸くなって尻尾を振ってみた。

体も…治ってきたのかな。


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