帰る場所。
温かい。


さっきは、とても寒かった。


私、死んじゃった…?
まだあの人に会ってないのに。


でも、もう疲れちゃった。足も痛いし、寒いし。
会えないかもしれない。


「猫、大丈夫か?」

『ニャ…』

体が重く感じた。

起き上がろうとしたけどすぐに、こてっと崩れるように横になった。


さっきの人間が小皿に白い液体を入れて私の前に置いた。


「飲めるか?」


私をそっと持ち上げて人間の脚に乗って、その白い液体をゆっくりと飲ませてくれた。




< 2 / 16 >

この作品をシェア

pagetop