帰る場所。
甘い。

好きになれそうな味だ。


「餌…あとで買ってくるから」


頭を撫でてくれた。
あの人と同じように…


「じゃ、ちょっと待てろ」


人間はそう言って、どこかに行ってしまった。


どうしよう。早くここから出て行かなきゃいけないのに。


ていうか、体が動かなかったんだっけ。


「ただいま」


私の頭を撫でて、違う小皿に魚の形をしたかりかりのが、ザラザラッと勢いよく箱から出た。

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