あいつ
11章



今日…退院の日。



もちろん、記憶は戻っていない。



迎えに来たのは…タケだけ。




「残りの奴らは夏紀の退院祝いだのなんだので準備してる。」




「そんなことわざわざ…。」




退院祝いなんて…。



むしろ迷惑かけちゃってるのに。




「夏紀ん家と俺ん家はいつもこういうのすんの。だから気にすんな。っつうか、退院祝いに参加しなくても大丈夫だから。」
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